成人(仮)
明日、というか今日は成人式である。
正直まだ成人していないので実感は全くないけど国が指定しちゃったから成人の仲間入りだ。
大人と呼ばれる存在にこれからならないといけない。荷が重い。
僕達は人間なので大人になると、というか時間が経つといろんなことを忘れてしまう。
桜の下、校庭、友達と過ごした日々、先生からの教え、勉強内容、登下校。
抽象的には覚えていても具体的にはもうすっかり頭の中からはすり抜けていくことばかりである。
「絶対忘れないでね」
なんて言ってたあの子の言葉はどこへやら、まるでなかったことのように毎日は淡々と過ぎていく。
そっちの方がどちらかと言うと都合がいい。
僕が言わずとも生活は続く、僕はこの日,この歳で感じたことをいつまで覚えているのだろうか。
あの日交わした言葉のように、するりするりと抜け落ちるのが怖いと感じるのはいつまで経っても臆病な僕だからなのだろうか。
親友は式に来ない。